絵、あるいは記号
黙ったまま
告げられぬまま
いつのまにかはじまり
終わりはできるだけ遠くにある方がいい
親指でつくる∞
言葉が2つの肩のそばを横切っていく
耳をそばだてて
仄かに浮かび上がるサイン
そのくらいでいい
声にされる言葉は
2つの肩が描き出す
完璧な狂気
眼を細めて
何が見える？
スカイツリーとか
エッフェル塔とか
今はむかしのスペースシャトルが跳ねる影
すりぬけてゆく
駆け抜けてゆく
光が
明滅する色が
TVで見た
タイムマシンみたいだね
色んなものが
順番や
意味を忘れて
楽しげに交差する
瞬時にはじかれる
光の屈折率よ
細める
眼差しと眼差し
放り投げ出されるego
解放される
ささやかなnarcissism
神様だけは
そこにいていい
ゆらゆら
ゆらゆら
ぎゅっと握りしめる手
月？
もっと朧げで
もっとくっきりしていて
太陽ともちがう
見たことも聞きたこともない
謎の天体？
いやビーチボールの中で揺れてる
僕らよく知ってるハワイだね
ゆらゆら
ゆらゆら
官能と
遠くで輝く波のリズム
1つの予言だけ抱き寄せ
あとはすべての予言を捨てよ
それは足を竦ませる恐怖
あるいは誰が吐きかけた呪詛
絵 、あるいは記号
黙ったまま
告げられぬまま
いつのまにかはじまり
終わりはできるだけ遠くにある